制作進行の年収、給料、給与

制作進行で食べていけるの?

アニメ業界全体に言えることですが、給与体系は厳しいのが現状です。とはいえ、制作進行は業務の幅が広いので、専門職のアニメーターよりは安定した収入が得られます。食べていくことはもちろん可能ですが、高収入とはほど遠いので、アニメを好きかどうかがこの仕事を続けていくためのモチベーションと言えそうです。

制作進行で収入をアップするためには、会社内でステップアップするのが近道です。制作進行は制作デスク、プロデューサーへ昇格できます。下積みが必要な職種なので、制作デスクになるために10年ほどかかるのが通常のようですが、キャリアアップすれば仕事の幅も広がり、給与が増えるだけでなく人脈も広がります。制作会社でのキャリアアップを糧に、会社を起こして成功するということも夢ではありません。

制作進行とお金の話

大手制作会社でも、月給は17万円からが相場!?

さまざまな求人サイトをみていると、アニメ制作会社の給与は17万円からというところが多いようです。労働時間が長く、いわゆるブラック企業のイメージのあるアニメ業界ですが、正社員であれば昇級制度で給与がアップする可能性や賞与(ボーナス)がもらえる場合もあります。

ちなみに、日本アニメーター・演出協会(JAniCA)による、アニメーション制作者 実態調査報告書 2015によると、2013年の年間収入は、年収150万円超200万円以下と、250万円超300万円以下と回答した人が最も多くなっています。制作進行の平均は年収332.8万円ですが、国税庁調べの一般平均給与414万円というデータと比べると、厳しい水準だということがわかります。

アニメ1話の制作費は1,500万円!?

アニメ制作にはどれくらいかかるかご存じですか? 約30分のアニメ制作をするのに、1話あたり1,500万円ほどかかるそうです。1クールのアニメは12から13話ほどなので、1シリーズに2億円から2億5,000万円ほどかかる計算です。これらの制作費をうまく運用するのが制作進行や制作デスク、プロデューサーの仕事です。オープニングにお金をかけすぎてしまい、後半に制作資金が底をつく……ということがないように、ハンドリングするのも制作進行の腕の見せどころなのです。

DVD1巻あたり5,000枚を売り上げれば、制作費が捻出できる!?

制作進行でキャリアアップしてプロデューサーになった場合、プロデューサーの大事な仕事は、制作資金の調達やスポンサーを探すことです。資金を調達するためには、魅力ある作品を発掘して出版社やテレビ会社に売り込みをします。売り込むときに肝となるのは、原作をアニメーション化し、DVD販売やキャラクターグッズなどで収入が見込めるかどうかということです。

例えば、1クール12から13話のテレビシリーズを、1巻2話構成でDVD制作すると全6、7巻になります。1巻あたり6,000円と仮定した場合、1巻5,000枚売れたら全巻で約2億円の売り上げになります。この金額は制作費とほぼ同じなので、制作費以上の収入を得るためにはより多くのDVDを売り上げることと、キャラクターグッズで収入を得ることが必要です。多くの収入が得られそうな作品を目利きする能力は、制作進行の仕事で養われるかもしれません。

どこで働くの?

アニメ制作会社や広告代理店の制作部門など、ほとんどの人が企業に所属しています。大手制作会社では、正社員や契約社員として就職している人が多いようです。

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