ライトノベル作家のお仕事内容

ライトノベル作家って、どういう仕事?

ライトノベルは日本で生まれた小説カテゴリーのひとつです。定義については諸説ありますが、表紙や挿絵にアニメ調のイラストが多用されている、ティーンズを対象にしている、マンガやアニメーションを想起させるキャラクターにテーマが依存している、主に文庫やソフトカバーで刊行されているといった点があげられます。このライトノベルを専門に執筆している作家をライトノベル作家といいます。ライトノベルを発行している出版社の主なブランドには、電撃文庫(KADOKAWA/アスキー・メディアワークス)やファンタジア文庫(富士見書房)、角川スニーカー文庫(KADOKAWA)などがありますが、近年は市場規模が拡大していることから多くの出版社が参入しています。

ライトノベルといってもさまざまなタイプのストーリーがありますが、恋愛、SF、ファンタジー、ミステリー、ホラーといった要素を含んだものが多く見られます。また、キャラクターに依存している物語が多いため、マンガ化やアニメ化、テレビゲーム化、玩具化(主にフィギュア)など、小説にとどまらずメディアミックスが盛んに行われているのも特徴です。

ライトノベル作家になる道は、小説家と同様です。書いた作品を出版社に持ち込んだり、出版社が主催する賞に応募し入選したりすることで、編集者から声がかかることになります。編集者に実力が認められるよう、デビューに向かってライトノベルを執筆していきます。

お仕事完了までの流れ

続いて、ライトノベル作家の仕事内容を見ていきましょう。どのような手順でライトノベルを完成させるのか、作品完成までの流れを簡単に解説していきます。

新人賞に応募する

多くの出版社がライトノベルに進出し、刊行点数が増えていることもあり、新人作家を発掘するための新人賞が数多く実施されています。代表的な新人賞としては、KADOKAWA/アスキー・メディアワークスが主催する電撃小説大賞や、KADOKAWAが主催するスニーカー大賞、富士見書房のファンタジア大賞などがあります。また長編だけではなく、短編の募集も行っている新人賞も増えています。これらの新人賞では入賞すると賞金がもらえ、作品の出版が約束されているケースもあります。そのため多くのライトノベル作家志望者にとっての登竜門になっています。

編集者とテーマや内容を協議する

晴れてライトノベル作家としてデビューが決まったのなら、担当編集と出版するライトノベルのテーマや設定を協議していきます。新人賞で入選した作品を出版する場合も、手元には完成した作品がありますが、文章表現や内容に関する修正依頼が編集者から寄せられることになります。より読者に受けるよう構成やタイトルが大きく変わることもあります。

原稿を執筆

テーマや設定が固まったら原稿を執筆していきます。ある程度の文量がまとまったら、あるいは全部書き上がったら、編集者に渡して読んでもらいます。修正箇所があれば指摘してもらい、何度も書き直すことで文章をより良いものにしていきます。

イラストを依頼する

ライトノベルでは、表紙や挿絵として使用するイラストが大きく売り上げを左右することがあります。そのため、誰にどんなイラストを描いてもらうのかを決定するのは非常に重要な作業になります。イラストレーターに依頼する作業は編集者が行いますが、ライトノベル作家も打ち合わせに参加し、一緒に検討することもあります。

これ、どういう意味?

どのような仕事にも、その職業に関わる人たちがよく使う専門用語があります。ここでは、ライトノベル作家の業界用語を取り上げます。

「ご都合主義」

確固たる方針を持たずに、その場の状況にあわせて行動すること。ライトノベルでは、作者が思い描くストーリーを展開しようとするあまり、極めて不自然な展開や設定を作ってしまうことをいいます。

「萌え(もえ)」

ある人物やものに対して、深い思い込みや愛情を抱くこと。青少年が主なターゲットであるライトノベルとジョブナイル小説の大きな違いは、萌え要素があるかないかだということもできます。ライトノベルでは萌えが重要なキーワードになることもあります。

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