絵本作家のお仕事内容

絵本作家って、どういう仕事?

子どものころに両親が読んでくれた絵本をいまでも覚えている人もいるかもしれません。そのような絵本を生みだすのが絵本作家の仕事です。作画と文章の両方を手がける人もいれば、作画のみ、あるいは文章のみを手がける人もいます。

絵本は年間に1000冊以上が出版されているといわれています。このうち、ヒット作となって読み継がれていくのはほんのひと握りです。そのため絵本作家として活動を続けることは実力が問われる、非常に難しい世界だといえます。

主な勤務先についてですが、絵本作家という肩書きを持ち、長年にわたって活動している人の多くは、フリーランスです。あるいは個人事務所を設立し、代表者となっているケースもあります。そのほか兼業で絵本を描いている人も多くいます。イラストレーターやグラフィックデザイナー、児童書の出版社に勤務する社員などをしながら、空いた時間を見つけて、絵本作りを行っているわけです。

絵本作家になるには、まずは絵本を出版している出版社に作品を持ち込むのが、一般的です。繁忙期でなければ、まだ作家デビューしていない人の作品も編集者は見てくれます。あるいは出版社、教育機関、NPO法人、地方自治体が主催する絵本コンテストも各地で実施されています。こうした賞に応募し、入選すると出版社から声がかかることもあるようです。ただし、新人が絵本作家としてデビューするチャンスは多くはないため、まずは自身で作品を作り続け、作風や世界観を確立することが先決かもしれません。

絵本作家になるために必要とされる能力は、絵のうまさよりも斬新な発想とインパクトのある作画です。特に字がまだ読めない子どもたちがおもしろいと感じるような作品は、言葉がわからなくても伝わる強烈な個性があるといえます。

お仕事完了までの流れ

続いて、絵本作家の仕事内容を見ていきましょう。どのような手順で仕事をしていくのか、依頼から完了までの流れを簡単に解説していきます。

テーマやコンセプトを考える

インパクトが大事だとはいえ、やみくもに描き始めてもあまり良い作品には仕上がりません。どのような作品を描きたいのか、どのような思いや考え方を作品に込めるのか、タッチや作風はどうするのかなど、まずはテーマやコンセプトを考えてイメージを固めることが先決です。既に作家デビューしている場合には、出版社から描いてほしいテーマを与えられることもあります。

文章を作成する

先に絵を描いてから、それにあわせて文章を書いていくという方法もありますが、最初のうちは指針となるシナリオを先に描き、それにあわせて絵を描く方が作業も進めやすいといえます。

絵を描く

絵を描くときに使う画材はなんでも構いません。デジタルで作画しても構いませんが、アナログのほうが迫力や繊細さのある絵を描きやすいため、絵本に向いているかもしれません。絵と文章が完成したら、デザインソフトを使って組みあわせます。自分でデザインは行わず、エディトリアルデザイナーに依頼することも可能です。

これ、どういう意味?

どのような仕事にも、その職業に関わる人たちがよく使う専門用語があります。ここでは、絵本作家が使う業界用語を取り上げます。

「オンデマンド印刷」

業務用の印刷機ではなく、高解像度のプリンタを使用して印刷する手法で、印刷所やプリント出力ショップなどで依頼することができます。少部数から印刷できるため、自費出版に向いています。

「綴じ(とじ)」

本の製本の仕方には、無線綴じや中綴じ、平綴じなど複数の種類があります。絵本の場合には小さな子どもが扱うことも多いため、耐久性の強い綴じ方を選ぶのが一般的です。

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