カーモデラーのお仕事内容

カーモデラーって、どういう仕事?

自動車の開発に携わる職業で、カーデザイナーのスケッチしたデザインを立体化するのがカーモデラーの役目です。カーモデラーが作った粘土製のモデルを用いて、デザイナーがデザインした自動車が企画会議で検討したコンセプトに沿っているのか、また、機能性は十分に備わっているのかを確認します。

カーモデラーには、デザイナーがスケッチしたデザインからクレイ(工業用粘土)を使って立体物にするクレイモデラーと、3DCADを使ってコンピュター上で立体化するCGモデラー、クレイモデラーが制作したクレイモデルをデータ化して、プラスチックモデルを制作するハードモデラーがいます。

各モデラーに共通して必要なのは、デザインに関する知識や金属・樹脂に関する素材特性などの知識、モデルを製造するための型に関する幅広い知識です。クレイモデラーはクレイを扱う技術が必要ですし、CGモデラーにはCADのスキルが不可欠です。

カーモデラーは、自動車メーカーや自動車部品メーカーのモデラーとして従事している人が多数です。数は多くありませんが、これらの企業でキャリアを積んだあと、フリーランスのカーモデラーになる人もいます。

お仕事完了までの流れ

続いて、カーモデラーの仕事内容を見ていきましょう。どのような手順で仕事をしていくのか、完了するまでの流れを簡単に解説していきます。

自動車開発の企画会議により、コンセプトが決定する

新しい自動車を開発することが決まったら、企画会議が行われます。ファミリー層に乗ってほしいのか、車好きの男性に購入してほしいのか、価格はどのくらいにするのかといった、車のコンセプトやターゲット層などを何度も協議します。

クルマのデザインが決定する

綿密に話し合ったコンセプトをもとに、どのようなデザインが良いのかをカーデザイナーが検討します。エクステリアデザイナーがボディのデザインを、インテリアデザイナーが内装のデザインを担当します。デザインもコンセプト同様、何度も協議されます。

クレイモデルを作成する

デザインが決定すると、クレイ(工業用粘土)を使ってクレイモデラーが立体化します。スケールモデル(縮尺模型)からフルサイズのモデル、室内のモデルも造形してデザインの検討を行います。クレイモデルは、デザイン面や空力特性、使い勝手など、さまざまな要素を検討するための目安になる重要なものです。

室内のモデルは、実際に乗車してデザインの検討や操作性などを確認するために使用されます。木を削る工具で加工したり、皮を巻いて縫製をしたりと本物の自動車と同じ質感に仕上げていきます。

ハードモデルを作成する

完成したクレイモデルを測定してデータ化し、プラスチック製のモデルを制作します。プラスチック製のモデルや部品のモデルを着色し、より具体的な完成イメージに近づけていきます。

3DCADでクレイモデルをデータ化、設計図を作成する

承認を受けたクレイモデルを3DCADの技術でデータ化します。CGモデラー専任がこの作業を行う場合や、クレイモデラーが兼任する場合もありますが、モデラーには3DCADの技術が必要です。このデータを元に自動車の設計図が作成されます。

これ、どういう意味?

どのような仕事にも、その職業に関わる人たちがよく使う専門用語があります。ここでは、カーモデラーが使う業界用語を取り上げます。

「面出し」

クレイモデルの制作に着手するとき、はじめは大まかな形を作っていきます。これを粗もりと呼びますが、そのあと、より精密に成形を行っていきます。特に表面を作る工程を面出しと言います。

「ハイライトチェック」

モデルの制作が最終段階に来ると、それぞれの面が凹凸なくキレイに仕上がっているかどうか確認が行われます。そのひとつの方法がハイライトチェックです。面に光を当てて、写り込みにゆがみがないか確認します。凹凸があればゆがんで見えるため、修正をしていきます。

pagetop