アニメーション作品やゲームにはストーリーを盛り上げる魅力的なキャラクターがしばしば登場しますが、こうしたキャラクターを創り上げるのがキャラクターデザイナーの仕事です。あらかじめ決められた設定をもとに、ビジュアルをデザインしていきます。最近は企業広告やCMなどでもキャラクターを使った宣伝手法が採用されています。そういう意味ではエンターテインメントの世界だけにとどまらず、キャラクターデザイナーの活躍の場は広がりを見せているといえます。
アニメーション作品やゲームの場合には、ストーリーや世界観からキャラクターを創造していくケースがほとんどです。プロデューサーや監督、脚本家、アートディレクターなどが設計したキャラクター像からビジュアルのみを創造することもあれば、自身でイチから考案することもあり、創作の仕方はさまざまです。数多くのキャラクターが登場する作品であれば、チームを組んで、制作していくことになります。
一方で、商品の広告宣伝で使用されるキャラクターの場合には、商品コンセプトをベースにキャラクターを創作していきます。どのような特徴を持った新商品なのか、ネーミングや商品はどのようなイメージで作られているのかといった商品の背景を理解することが肝心です。いくら魅力的なキャラクターを作っても、商品のコンセプトと齟齬(そご)があれば、そのアイディアが採用されることはありません。
キャラクターデザイナーになるために必要なスキルは、まずはもちろん創造性とデッサン力となります。広告やアニメーションの分野でのキャラクターデザインを行いたいのであれば、Adobe IllustratorやPhotoshopなどのペイントツールが使えたほうがよいでしょう。また、ゲームのキャラクターデザインであれば、3DCGを作成できるスキルが求められます。
主な勤務先は、アニメ制作会社やゲーム製作会社になります。そのほかデザイン事務所や広告代理店、イラスト制作会社に所属している人もいるようです。
続いて、キャラクターデザイナーの仕事内容を見ていきましょう。どのような手順で仕事をしていくのか、依頼から完了までの流れを簡単に解説していきます。
広告で使用するキャラクターをデザインする場合には、どのような用途で使用するキャラクターなのかを、また商品のPRが目的なら商品の特徴や新しい機能、ネーミングなどの概要について、クライアントや広告制作を指揮しているアートディレクターから説明してもらいます。このときキャラクターの概要が決まっているケースもあれば、イチから考えていくこともあります。
ヒアリングで得た情報をもとに、キャラクターをデザインします。まずはスケッチでラフデザインを描きます。ラフデザインが完成したらアートディレクターやクライアントにチェックしてもらいます。通常はひとつの案ではなく複数の案を提出し、そのなかからイメージに合うものを選んでもらいます。OKがでなければ再度ラフデザインを作り、OKが出るまで続けられます。
ラフデザインのOKがでたら本番用の下絵を作っていきます。下絵が完成したら、再びアートディレクターやクライアントにチェックしてもらい、修正点があれば直していきます。下絵のOKがでたら着色に進みます。
色付けをしたら再びチェックをしてもらいます。そしてOKがでれば作業は完了となります。
どのような仕事にも、その職業に関わる人たちがよく使う専門用語があります。ここでは、キャラクターデザイナーが使う業界用語を取り上げます。
身近に置いておくと、幸運をもたらすお守りのような存在のことをマスコットと呼びます。そのため企業やイベントの成功や、スポーツチームの勝利を願って、シンボル的なキャラクターを登場させるケースが増えています。こうしたキャラクターはマスコットキャラクターと呼ばれ、キャラクターデザイナーが制作に携わることがあります。
ホラー作品に登場するようなエイリアンやゾンビ、モンスターのように、架空の生物の登場キャラクターをデザインすることです。モンスターデザインということもあります。人間とは異なる生物のデザインなので、特殊な発想やアイディアが求められます。