薄井まずは、「変わること」を常に意識することが大事です。かつて、クリエイティブ業界といえば、映像、音楽、ゲーム、書籍の主に4分野でした。しかし今は、非常に多様化しています。例えば「人気アニメのキャラを使ってVR空間でライブパフォーマンスを実施、渋谷のイベントブースでその様子をリアルタイムでホログラムに映し出し、来場者は専用デバイスでデジタル声援をおくることができる。その様子をムービーで収録してウェブにも掲載」という催しがあったとします。いろんな仕事が一度に行われていますね。ここで、あなたはどのクリエイティブを担当するのでしょうか。エンジニアなのか、ムービーなのか。けれど大事なのは、今後はそれぞれのクリエイターが自分の領域以外も知っておくこと。あなたがムービー担当だとしても、他のジャンルに興味を持ち、他のジャンルの人たちとコミュニケーションをとること。自分の世界に固執せず変わり続けることで、クリエイターとして生き残っていくことができます。だって、2007年までスマホはありませんでした。たった16年前にはなかったものを中心に今のあなたの生活は回っています。では10年後も、映像は四角いスマホで見ているでしょうか?そもそも10年後、デバイスをまだ私たちは手に持って使っているでしょうか?これからはさらに早いスピードでテクノロジーは進化します。今あなたの学んでいること、その仕事は3年後にはないかもしれない。だからあなた自身は常に変化をしていかないとならないんです。そしてもうひとつ、大事なことがあります。それが「変わらないこと」。ジャンルに縛られずクリエイティブを楽しみ、職場だって職種だって、変えていっていい。学生さんは「〇〇の専門家になる」と今学んでいますが、キャリアはどんどん変えていっていいです。その一方で「なにかをつくり、誰かに届ける」という、「変わらない想い」はベースにしっかり持ってください。
