舞台美術の年収、給料、給与

舞台美術で食べていけるの?

芸術に興味があり、演劇やミュージカルが好きなら、舞台美術の仕事は憧れの仕事ではないでしょうか。しかし、気になるのがお金事情です。舞台美術という仕事で生計が立てられるのでしょうか。フリーランスで活躍している人のギャラや、制作会社に勤務した場合の年収などを紹介します。

舞台美術の下積み時代の収入は、決して多くありません。これは、特殊な業界によくあることですが、先輩から技術を習得するのに何年もかかるため、すぐには一人前として扱われないためです。独り立ちできるだけの技術を習得するまでは、収入面では不遇の時代を過ごすことになるでしょう。

独り立ちするまでの期間は人それぞれですが、フリーランスになり大きな仕事を任せてもらえるようになれば、収入を増やすことも可能です。ただし、いつも大きな仕事が舞い込むとは限らないため、営業活動はもとより、演出家や監督との信頼関係を築く努力が必要です。

舞台美術とお金の話

初任給は16万円!?

まずは、舞台製作会社や劇場に所属した場合の収入からご紹介します。所属する劇場や劇団、制作会社によってさまざまですが、入社1年目の月給は残業代も含めて16万円から20万円ほどです。これを元に算出すると、駆けだしの舞台美術の年収は300万以下のようです。

1つの公演を担当して、ウン百万円以上もアリ!?

劇場の舞台美術の月収がわかったところで気になるのが、フリーランスの舞台美術家の報酬です。日本舞台美術家協会では、フリーランスの舞台美術家のデザイン料を規定しています。これによると、舞台で使われる装置や衣装、小道具など、製作物の総製作費を算定し、それに応じたデザイン料(初演の目安)の最低限度が定められています。総製作費が100万円未満の場合は20万円から、総製作費が1,000万円以上の場合は90万円からと、金額によってそれぞれ規定されています。大規模な仕事ができるようになれば、1つの公演で何百万円の報酬を得ることも夢ではありません。

世界をまたにかける舞台美術家は、超高収入!?

日本を飛びだし、世界を相手に活躍している日本人の舞台美術家もいます。例えば、ブロードウェイでミュージカルの舞台美術を担当するほど著名になった場合を考えてみましょう。ブロードウェイの大規模なミュージカルは、総製作費が600万から1200万ドル(約6億から12億円)とも言われています。前述の日本舞台美術家協会の規定(舞台美術のデザイン料は総制作費の20パーセント程度)に当てはめると、1度の公演での報酬は1億円以上になる計算です。それほど著名になるのは大変厳しい道のりですが、億万長者になるのも不可能ではない仕事のようです。

どこで働くの?

ほとんどの人は劇場、劇団の舞台美術部やテレビ局の美術部、舞台制作会社に就職し、舞台美術についていのノウハウを学びます。キャリアを積んだあとにフリーランスで活動する舞台美術家の人もいます。

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