小説家のお仕事内容

小説家って、どういう仕事?

小説家は物語を創作し、小説を執筆する人のことを言います。主に小説の印税で生計を立てている人もいますが、なかにはほかの仕事と掛け持ちをしながら、定期的に小説を発表するような人もいます。特に資格が必要な職業ではないため、小説を出版したことがあれば小説家と名乗れることになります。

小説はSF小説や推理小説、ホラー小説、時代小説など、設定やストーリーの特徴からさまざまなジャンルに分類されます。そして、あるジャンルの小説を一貫して執筆している小説家はSF作家、推理小説作家、ホラー作家などと呼ばれることがあります。

また人気の小説家には、出版社から依頼が殺到するため、数年先まで執筆の予定で埋まっていることも珍しくありません。

小説の内容によっては、舞台に設定した国や地方を訪れたり、特定の職業の人の話を聞いたりするといったように、事前に取材や下調べを行うこともあります。そのため構想を練ってから、完成させるまでに数年を要することも珍しくありません。

お仕事完了までの流れ

続いて、小説家の仕事内容を見ていきましょう。どのような手順で小説を完成させるのか、作品完成までの流れを簡単に解説していきます。

出版社に作品を持ち込んだり文学賞へ応募

まず小説家としてデビューするためには、出版社に作品を持ち込んで作品が認められるか、各社が実施している文学賞に応募して、デビューを勝ち取る必要があります。公募を行っている新人賞には、文學界(ぶんがくかい)新人賞や群像新人文学賞、文藝賞(ぶんげいしょう)、すばる文学賞などがあります。また、インターネット上で発表していた作品が話題となり、それを編集者が見つけて小説家デビューを持ちかけてくることもまれにあるようです。

編集者と小説のテーマや内容を協議する

小説を書きはじめる前に、通常は編集者と小説のテーマや内容を協議します。小説家からこういう作品が書きたいと提案することもありますが、出版社から提示される場合が多いと言えます。テーマが決まったら、登場人物や物語の概要などを決めていきます。

必要があるなら、取材を行う

テーマが固まれば執筆を開始しますが、医療小説や警察小説など特定の業界・職業を舞台にした小説の場合には、事前に関係者への取材を行うケースもあります。また、特定の国や地方が登場する場合も、資料を調べて描写するだけではなく、実際に現場に足を運んで取材して執筆に生かすこともあります。

原稿を執筆

小説は結末まですべて書き上がってから編集者に提出することもありますが、雑誌や新聞に定期的に掲載される連載小説の場合には、決められたページ単位で提出していきます。原稿を読んだ編集者からは感想や修正依頼が届きます。指摘された点を修正して問題がなくなれば作業完了となります。ときには何度も修正を行いますが、修正依頼の内容に納得できなければ編集者と話し合い、協議をしながら完成を目指していきます。

これ、どういう意味?

どのような仕事にも、その職業に関わる人たちがよく使う専門用語があります。ここでは、小説家が使う業界用語を取り上げます。

「印税」

書籍やCDなど著作物を販売する場合に、出版者から著作者や著作権者に支払われるのが印税です。通常、定価×発行部数×8~12パーセントが3ヶ月後、もしくは6ヶ月後に支払われます。ただ出版社によっては、発行部数ではなく実売(実際に売れた数)で計算することもあります。

「ペンネーム」

小説家は本名とは違う名前であるペンネームで活動している人が多いです。理由としては、私生活に支障が出ると困るといったものから、小説を作者の名前ではなく作品内容で評価してほしい、性別を公表したくないといったさまざまな理由が挙げられます。なかには小説のジャンル別にペンネームを使い分ける小説家もいるようです。

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