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TCA産学連携教育/デビューサポート

SBクリエイティブ GA文庫

Company Profile

2006年1月にSBクリエイティブが創刊した、主に中高生向けのライトノベルレーベル。「GA文庫」「GAノベル」「GAコミック」を展開。『ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか』『ゴブリンスレイヤー』『お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件』『ひきこまり吸血姫の悶々』などの人気作を刊行。

SBクリエイティブ株式会社
出版事業本部
GA編集部 ノベルチーム編集長

宇佐美さん
SPECIAL LECTURE

プロ編集者に学ぶ
“売れるラノベづくり”とは?

若者向けライトノベルレーベル「GA文庫」「GAノベル」を展開するSBクリエイティブへ、ノベル&シナリオマスター専攻の学生たちが潜入。ノベルチーム編集長・宇佐美さんにヒット作づくりのポイントを聞きました。

CHIEF EDITOR’S MESSAGE

人気作家への道!5つの心得

01

まずは作品を完成させること

プロを目指すうえで最初に大事なのは、自分の作品を完成させることです。当たり前のようですが、延々と修正を続けたりでなかなか書きあがらない人も多いんですよね。でもどこかで完成させないと、人の評価も得られません。

02

自分の作品は必ず人に見せよう

できた作品を人に見せる、世に問うのはプロとして大切な過程です。学生の皆さんであれば、先生や仲間に見せて評価を聞くのも良いでしょう。せっかくモノを作っても、自分で抱えているだけでは何も始まらないですから。

03

「流行りの理由」を考えてみる

流行りの作品を真似する必要はないですが、なぜ流行っているかを考えるのは大事です。「読者は何を求めてこの本を読んでいるのか?」そのユーザー心理がつかめれば、それを反映した作品づくりができるようになります。

04

人の意見を時には素直に聞く

作品を投稿した際の審査員の評価などは、耳が痛くてもとりあえず「なるほど」と思って素直に聞いてみることです。自分がまったく意識していなかった視点から、ポジティブな情報を得られることもありますからね。

05

良い表現の本質は変わらない

ジャンルには流行がありますが、「読んでいて楽しい」「キャラが魅力的」「読後感がいい」といった良い表現の本質は基本的に変わりません。小説に限らずすべてのエンタメに共通するこの原則を忘れないでください。

FREETALK
SESSION

ラノベシーンのリアルを知りたい!
プロの本音を聞き出すトークセッション

新人賞などに投稿するにあたり今一番求めているジャンルはありますか?

宇佐美GA文庫大賞では特定で求めているジャンルはなく、もしそう見えているとしたら、応募作品の多いジャンルには面白いものが比較的多くなることで、受賞しやすくなる、ということが起きているのかと思います。ただそれは我々が推奨しているのではありません。新人賞では見たこともないような新人ならではのパッションに期待をしているので、編集者やプロ作家が考えもつかないような新しい才能を待っています。

実際に大賞を獲られる方の傾向として、どんな作家さんが多いですか?

宇佐美色々な方がいらっしゃるので必ずしも共通した傾向はないかなと思いますが、基本的には新しいものを書く意欲がある人。昔出した作品を手直しして送るよりも、新しい作品をどんどん生み出せる方のほうが、受賞には近いのかなと思います。ときに他社では基準や求めているものが違ったり、Webに投稿することで読者がつく、といったこともありますから、必ずしも過去の作品を諦めた方が良いと言えませんが、一つの作品にこだわり続けるのはあまり良くないかもしれません。

編集者の方から見て、作家さんや作品に求めるものは何ですか?

宇佐美これも色んな視点での考え方があるんですけど、作家さんに対しては最低限のコミュニケーションが取れること、考えていることをちゃんと伝えてくれることです。編集者が困るのは何を考えているのか分からないことです。たとえば僕らが原稿に修正の提案をさせてもらったときに「なるほど」と納得してやっているのか、それとも不本意ながらやっているのか分からないことがあります。もし不本意であれば理由の説明ができますので。不安が溜まってしまうのはお互いに不幸なことかなと思います。それと、現状に甘んじないことでしょうか。デビューがゴールではなく、デビューはスタートラインなので。現実問題としてデビューしても大抵の作品は売れません。世の中にあるほとんどの本は売れないという現実があり、その中で一握りの売れるタイトルが漫画になったりアニメになったりします。本を出したからといって満足すると厳しいです。売れない本を出してしまったときも、企画が通らないときも、めげずに挑戦し続けないと勝負になりません。書いて出し続けないと絶対に売れるようにはならないので、企画を考える努力であるとか、面白いものをつくるための様々な努力をし続けなければいけない。それは編集者も同じなんですけどね。本を出した、受賞した、売れて満足しても生きていくことはできます。でも1回売れたタイトルがある人にはなれても作家とは言えないと思っています。作家であり続けるためには本を書き続けて、出し続けないといけない、そういうところはありますね。
作品に対して求めることは、きれいごとを言わなければ「売れる」ことですが、もう少し夢のあることでいうと、やっぱりフェチズムがないといけないかなと思います。普通の人が普通のことを書いても小説にはなりますが、あまり面白くはならないことが多くて。その人自身が考えているすごく尖ったことであるとか、偏執的な部分であるとか、あるいは読者に刺さるだろうと考え抜かれた部分がないといけないと思います。それを総称してフェチズムと僕は呼んでいるんですけど、一見どうでも良いように見える所にすごくこだわると最終的な差になってくるではないかと思います。