『週刊少年マガジン』は、講談社が発行する日本の週刊少年漫画雑誌。1959年3月17日創刊。毎週水曜日発売。
半世紀を超える長い歴史の中で数多くの名作を生み出し、さまざまな世代に愛されてきた「週刊少年マガジン」
その現役編集者・橋本さんが、読者の心をつかむ優れた作品を描くための秘訣を学生たちへレクチャーします。
「当たり前かもしれませんが、面白い作品とは読者が主人公と一緒に興奮し、感動することのできる作品です。そのために何より大事なのは、作品を『感情』で読んでもらうこと。」橋本さんが学生へ伝授した、マンガづくりの極意とは?
マンガはまず、絵で見せることが肝心です。ストーリーづくりは、人生経験を重ねて少しずつセンスが研ぎ澄まされていくもの。それに比べて、絵は描いた分だけすぐに上手くなります。毎日描くことで、画力の上達を実感してください。
コマ割りや、吹き出しの位置など。読者の感情に訴えかけるために、売れっ子の作家は細部まで考え抜いています。読み手の立場で徹底的に考える姿勢が、ヒット作を生み出すのです。まずは、好きな作家の模写から始めてみましょう。
映画、小説、ボウリング、カラオケ、旅行。時間がある学生のうちは、ぜひ色んな経験をしてください。それが、10年後に描くマンガのネタになりますから。忙しい若い作家は「遊びたい!ネタ集めたい」とボヤいていますよ(笑)。
この日、橋本さんから学生作品の添削指導もしていただきました。より読者の興味を惹くために、より面白いストーリーにするために、どうしたらよいか?彼ら・彼女らは、多くの気づきと発見を得たことでしょう。
マンガはご飯と一緒!読者に多くの味を楽しませることが大切です。
中学生の気持ちで読んでいる読者に、シンプルな分かりやすさを!
作者が1年生で、入学後にマンガを描き始めたということに驚きました。この作品は主人公に何を期待すればいいかが明確で、読みやすいです。コマ割りも良く勉強していますね。ただ、最後のドラマにもっと膨らみがほしかった。少年誌は世代を問わず中学生の気持ちで読むものなので、シンプルな分かりやすさを心がけてください。
長編のポイントは、描きたいシーンから逆算して組み立てること!
4Pのマンガですが、すごく良かったです。キメのページの主人公の表情が、すごくうまい!話は少し難解だけど、絵のおしゃれさで読めてしまいますね。これからは30Pくらいの長いストーリーにチャレンジしてほしいです。そのポイントは、一番描きたいシーンを最初に決めて、そこから逆算しながら物語を組み立てていくことです。
読者の「目線の移動」を特に意識して、コマ割りを読みやすく!。
びっくりするくらいダークな作品ですね(笑)。ドロドロなハードボイルドで、カッコいいです。主人公がポッケに手を入れて背中を向けるシーンなど感情移入できますし、セリフ回しもおしゃれで描きたい世界観を上手に表現している。難点は、コマ割りが少し読みにくいこと。読者の「目線の移動」を意識して、ネームを勉強しましょう。
COMMENT
ところどころのギャグが秀逸で、面白かったです。まさかのオチに、楽しく裏切られました。緊張と緩和のバランスが、とても上手ですね。ネームも上手く、ページのめくらせ方をちゃんと意識しているのが分かります。17Pですが、できればもっと増やしてほしい。マンガはご飯と一緒で、多くの味を楽しませることが大切ですからね。